「SEO」という言葉は、今でこそ浸透していますが、その言葉が広がり始めたばかりの時は、検索エンジンのテクノロジーは現在と比べるとまだまだ不完全なものだった記憶があります。
後に、アルゴリズムの改良や、AIの導入などによって、人が文書を読んで理解する能力に近づきつつある、といわれています。
検索エンジンという「ロボット」でありながら、より「人の頭脳・人の体験」に近づいている、ということですね。
では、SEOにおけるその「人の体験」とはどういうことなのでしょう?
ここではその部分について書いてみたいと思います。
Googleの進化とともに変わっていくSEO
SEOといえば、「検索エンジンのクローラー(ロボット)に向けた施策」と思われてしまいがちです。
一昔前・・・「SEO」という言葉が出てきたばかりの頃は、それで良しとされていました。
ですが、現在の検索エンジンはコンテンツの内容や検索ユーザーが入力するキーワードを、極めて人に近い形で理解できるように進化しています。
最近では、「SEO」という言葉が検索エンジンのクローラーを対象とした施策と誤解されがちなため、人を対象とした「SXO (Search Experience Optimization:検索体験最適化)という言葉が使用されるようにもなっています。
SXO
フルスペル:Search Experience Optimization
別名:検索体験最適化,検索体験の最適化,サーチエクスペリエンスオプティマイゼーション
SXOとは、検索エンジンに好まれ検索結果ページの上位に表示させようとするマーケティング手法(検索エンジン最適化)を、検索エンジンではなくユーザーの検索体験(ユーザーエクスペリエンス)に主眼を置いて捉え治そうとする考え方である。UXを最適化することで、結果的に検索エンジンに好まれSEO的な成功が収められる、という考えが背景にある。従来のSEOの手法は、検索需要に合致したキーワードを適度な比率で本文中に盛り込んだり、ある程度の文章量を確保して情報量が豊富であることを示したり、といった対策が行われてきた。こうした手法は検索エンジンを相手にした最適化と言うこともできる。この結果、最上位に表示されるページが必ずしもユーザーにとって最適な(検索需要に応える)Webページとは限らないという側面も生じている。SXOは、ユーザーが検索によって解消・解決したい問題に答えるページであるかどうかという基準によってWebページが評価される。併せてWebサイトのユーザビリティやオーソリティも重視し、検索結果が十分に満足できるものとなり得るかどうかを評価する。
SXOは2016年半ば頃からSEOの潮流として本格的に注目され始めた。同年後半には日本国内ではいわゆるWELQ問題なども生じており、より本来的な情報提供の意義が問われる流れになりつつある。
(weblio辞書より引用)
「人の体験」を提供する取り組み
以前、ダイエットビジネスを展開していた頃。
今では考えられませんが、サイト内の記事に「〇〇ダイエット ○○するダイエット ○○でダイエット」という不自然なキーワード羅列をしても、キーワード数が多いということだけで上位表示されたことがありました。
そう、一昔前の検索エンジンでは、たとえコンテンツ(ホームページなどWEBサイトの内容)が薄くても、有効なキーワードを多く盛り込むことで、比較的簡単に検索順位を上げることができました。
そのため、上記と同じような過剰なSEOが流行しましたが、検索エンジン側がこれらをスパム(迷惑行為)として対処した結果。
現在ではまったく意味がない手法になっています。
その後は、「被リンク(自分のWEBサイトへのリンク)を集まることが評価につながる」ということが広まると、自作自演の被リンクによって検索結果の順位が上がるなんてこともありました。
「サイト量産型アフィリエイト」なんていう手法が流行ったのもその頃のお話ですね。
しかしそれもまた、アルゴリズムの改良によってまったく通用しなくなりました。
キーワード羅列サイトと同じように、スパム行為とみなされるようになったのです。
スパム行為を行ったWEBサイトは評価を下げることとなり、質の低いコンテンツを量産しているサイトは、検索結果そのものに表示されないことも多くなりました。
そのようなアルゴリズムのギャップを突くゲリラ的な手法は、たとえ一時的に成果を上げたとしても、検索エンジンの改良があればすぐに通用しなくなります。
言ってみればお客さまの裏をかくような手法を使っていても、効果はありませんよ、ということです。
そのためにもガイドラインをしっかりと守って、ユーザーのためになるSEOを心掛けることが大事ですね。
Googleのガイドラインは以下から確認できますので、一度目を通してみてください。
現在のSEOは、SXOへと変化しているといえます。
SXOは、検索ユーザーに対して誰よりも優れた「人としての体験」を提供する取り組みだと理解しています。
ロボットやプログラムではなく、「人の目」「人の体験」にスポットを当てた対策こそが、長期的かつ継続的に取り組む価値のあるSEOである、ということがいえますね。
まとめ
ユーザー(お客さま)の「人の体験にスポットを当てる」というと、何か大げさでわかりづらいこともあるかも知れません。
具体的にいいますと、
・どのデバイス(パソコン・スマホ)でも閲覧しやすいレイアウトを構築する
・調べたい情報にすぐたどり着けるように考える
・さまざまな通信速度環境でも、すばやく表示できるように改善する
・検索ユーザーの調べたい情報を、ライバルサイトよりも正確に詳しく提供する
ということですね。
ここまでお読みいただけてお分かりかと思いますが、SEOとは「究極のお客さま目線になること」であることがいえます。
ビジネスは常にお客さま最優先・・・ 日頃から叫ばれていることですが、SEO対策もそのことは同じである、ということを覚えておきたいですね。