今から20年ほど前、サラリーマン時代のお話。
国内アパレルメーカーから、外資系メーカーに転職したことがありました。
ヘッドハンティングに近い形だったんですけどね。
条件や待遇が良いだけでなく、やりがいもありそうだったので、即決断したんですけれども。
その時に感じたのが、さすが外資系というのは業績や人材育成など、全ての点において厳しいなー、ということでした。
売上報告一つとっても、「かなり売れてます」「お客さんが大変増えています」みたいな伝え方をしようものなら、即怒声を浴びせられます。
「かなりではなくて、前年比で何パーセント増えているんだ?」
「大変増えている、ではなくて、客数の実数で増減を報告せよ」
みたいな感じですね。
個人事業主となり、自然と数値に関してはシビアになった今。
よくもまあ、そんなアバウトな返事をしていたものだと思います。
抽象的な報告ではなく、具体的な数値で経過を示せ。
そして、改善策を述べよ。
当然といえば当然ですね。
「常に元気に仕事に取り組みます!」という当たり前
さらには、転職後、新天地での挨拶を求められた時。

三浦君、O社にいた時はどのようなことを心がけて店長業務を勤めていたかね?
そして、我社の店舗では、店長としてどのような店舗作りをしていくつもりかね?
営業本部長などの上層部からそのような質問をされた時、
はい! お店スタッフもお客さまもみんなが笑顔になるような、そんな店舗作りを目指します!
その為にも、店長である僕自身が、常に明るく元気で仕事に取り組みます!

意気揚々と、張り切ってそんな返事をしたのですが・・・

君は一体何年、販売サービスの仕事に取り組んできたのかね?
明るく元気に仕事するって、そんなことは当たり前だろう。
スタッフもお客さまも笑顔になるようなお店作り?
悪いがウチの会社の中の店舗で、そんな基本的なことができていないお店はないよ。
その程度の心構えではウチではやっていけない。
心を入れ替えてもらわないと困るよ
今となってはその上層部の人が話していることは当然だと思いますが、当時は随分と厳しいことをいう会社だな、と凹んだものでした。
提供サービスのウリ、強みをしっかりと伝えきれているかどうか
日々お客様のホームページ制作に関わらせてもらい、制作に関しての打ち合わせ、ヒアリングを行う時。
必ず、「あなたのサービスのウリ、強みはなんですか?」ということを聞きます。
すると、
●お客様が笑顔になれるようなサロンです。
●リラックスできて癒されて、幸せな気持ちになれるサロンです。
と、まるで20年前の私のような答えが返ってくるのです。
さらには、「事業主、サービス提供主としてあなたが心がけていることってなんですか? その部分をプロフィールページに載せましょう」というお話もするのですが。
「お客さまに寄り添い、親切で丁寧な対応を心がけています」と、これまた20年前の私のような答えが返ってきます。
●お客様を笑顔にさせる癒しのサロンです
●親切・丁寧な対応を心がけています
日常的に見かけるフレーズで、ホームページのヘッダーキャッチコピーにもよく使われていますが、これら全て「当たり前」のことなんですね。
そうではなくて、
●なぜお客様が笑顔になれるのか? 何を使ってお客さまを癒すのか?
●お客様に具体的にどのような効果・成果を与えることができるのか?
という部分を、キャッチコピーで謳わなければいけないわけです。
例えば、まだ小さいお子さんが治療を受けるための歯医者を探しているとします。
「当医院は全スタッフがお子様に寄り添い、お子様が安心して治療を受けれる歯科です」では弱いわけです。
言ってみれば、それは小児歯科としては当たり前なわけで。
「当医院は女性の医師、歯科助手しか在籍しておりません。 お子様の扱いに慣れた女性スタッフが治療時も治療以外時も常に傍にいて対応しますので、お子様もお母様も安心して治療に専念できます」
こう書かれていたらどうでしょう?
子供が安心して受診できる歯科を探しているお客さまには、後者の方にグッと惹きつけられることは間違いないですよね。
抽象的でフワッとしたフレーズでは、お客様の心を掴むことはできない
ホームページやブログ、チラシなど。
当たり前のことをいかにもらしくキャッチコピーやサイト説明文(ディスクリプション)に使っていないでしょうか?
●あなたらしく 自分らしく
●幸せになれる 癒される
●なりたい自分になれる 輝く
みたいなキーワードを連発しているようでしたら要注意です。 一度見直してみましょう。
●何を使って、どうすることで「自分らしく」なれるの?
●どの方法で「幸せ」になるの?
●何を使って「癒される」の?
その部分が書かれていない、抽象的でフワッとしたフレーズでは、お客様の心を掴むことはできません。
強みやウリを見つけて、ないようであれば作って。
その部分を打ち出したタイトルやキャッチコピーにしないと、これから先はかなり厳しくなってきます。
お客様はもう、当たり前のことには慣れているし、感動しません。
感動しないということは、お申し込みにもお問い合わせにも繋がらない、ということですね。
そして、お客様からみた「当たり前」のハードルが、これから先はどんどん高くなっていきます。
普通のことを普通にやっていたら、次から次へと強みを打ち出してくる同業者(社)に先を越されていきます。
強みとかウリを持っているのに、それをうまく打ち出し切れていない方が多いのもまた事実です。
先日打ち合わせした方は、どう考えても同業者は誰も経験したことのない実績を持っているのに、それがブログに全く打ち出されていなかったんですね。
「もったいないですよ!」を何度も連発してしまいました。
あなたならではの、あなたにしか出せない強みをWEBサイトや名刺に打ち出すようにしてみてください。
いいものを持っているのに出し切れていないようでしたらもったいないですよ!
宝の持ち腐れ状態にならないよう、気をつけたいですね。
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